「噛みづらい、飲み込みづらい」「手に力が入りにくい」などの症状を抱えているMG患者さんにとって、食事や調理をすることは難しく感じられることがあります。
こうした悩みを抱えているMG患者さんのために、アルジェニクスジャパンと貝印株式会社が、共同でMG患者さんにもおいしく作りやすいレシピを開発しました。
MGについて社会全体の理解を広げることで、MG患者さんやそのご家族の方々が少しでも過ごしやすい、優しい社会となることを願い、「その知識が、優しさになる。」をスローガンとしたMG 啓発プロジェクトを、2022年6月のMG啓発月間に合わせて実施しました。「MGクッキングキャンペーン」はそのプログラムのひとつです。
「MGクッキングキャンペーン」では、貝印が運営する料理教室主宰者のためのメンバーズクラブ「Kai House Culinary Artist Club」に所属する料理家27名が参加し、MG患者さんが食べやすく、作りやすい料理を考案いただきました。
料理家の方々には、MG患者さん向けのレシピを考えていただく中で、MGについて知ってもらい、調理や食事の観点から疾患への認知や理解を深めていただきました。また、料理家で管理栄養士の渥美まゆ美さん(株式会社Smile meal代表取締役)による工夫のポイントについてのレクチャーも受け、症状を考慮した調理方法、食べやすさや作りやすさの工夫を凝らしたレシピが出そろいました。
今回のキャンペーンでは、開発したレシピをご自身の料理教室でレッスンすることを通して、多くの生徒さんにMGについて知ってもらうことができました。
渥美まゆ美さん:株式会社Smile meal代表取締役
「今回の企画への参加を通してMG患者さんが抱える調理・食事の大変さにはじめて出会いました。料理の専門家として出来ることを考えたときに、食材別の調理方法が役立つかもしれないと考えました。いくつかの専門書で学んだり、これまでの経験を踏まえて、MG患者さんが飲み込みにくい食材を中心に調理方法を紹介しております。少しの工夫で食べやすく、飲みやすくなることもあります。MG患者さん、またそのご家族の参考になればと思います。」
斉藤かすみさん:サロン ピルゥファス(Salon Pile ou Face)主宰
「MG患者さんは、作ることそのものが大変だということを知りました。症状をふまえて、ピーラーやおろし器を使って、美味しさと作りやすさを両立させることを念頭にレシピを開発したことは、私自身、とても学ばせてもらうことが多かったです。MGでなくても、高齢になると、嚥下障害が起きたり、力が入りにくいなど、同じような症状が将来的に出てくる可能性はあると思うので、身近に感じることができました。ご病気のことは知らない生徒さんが多かったのですが、高齢の両親を抱える生徒さんたちもいらっしゃり、興味を示してくださる方が多かったですね。“介護メニューによさそう”との声もいただき、とても有意義なレッスンになりました」
斉藤さん考案のレシピ「リボン野菜で梅味のとろとろ素麺」と料理教室のレポート記事が「Kai House Culinary Artist Club」のホームページに掲載されました。記事はこちらからご覧ください。
重症筋無力症(MG)啓発プロジェクト「知ってくださいMGのこと」の活動の一環として、グローバル刃物メーカーの貝印株式会社と共同で作成した、MG患者さんのためのレシピブックです。
MG患者さんが咀嚼をしにくい、飲み込みづらいなどの症状がある事を考慮して開発されたレシピが掲載されています。レシピに合わせて筋力が弱い方の調理をサポートする調理器具も紹介されています。
無理せずに食事作りをするためには、料理の作り置きなど、有効な手段を使うことが大切です。自分の体力、スケジュール、料理の腕前、食物の好みに合わせて計画を立てましょう。
栄養学者に、MG患者さん向けのスムージーレシピを開発していただきました。スムージーは夏の暑さをしのぐには最適なだけでなく、いつでも、手早く簡単に栄養補給ができます。